周りにいませんか。いつも複数の女性から誘われ、連絡先を交換し、注目を集める男性が。
彼を見て、羨ましいと思うことがあるかもしれません。
しかし、モテる男性は本当に幸せなのか。この問いに、きちんと答えられる人は少ないです。
カリスマという幻想
ピーター・ドラッカーは『マネジメント』で、経営にカリスマは不要だと書きました。
カリスマとは、大勢の人を魅了する特別な力のことです。しかし企業の成果は、そんな力がなくても出せるとドラッカーは言います。
むしろカリスマに頼ると、組織は危うくなります。その人がいなくなったとき、すべてが止まるからです。
恋愛も同じです。万人から好かれる人気があっても、それで幸せな関係が作れるわけではありません。
大切なのは、たった一人と深い関係を築くことです。そこに人気は関係ありません。
モテが生む不安定さ
モテる人には、いつも複数の選択肢があります。食事に誘われ、メッセージが届き、注目を集めます。
一見すると恵まれた状況に見えます。しかし、付き合っている相手の立場で考えてみてください。
「自分以外にも候補がいる」と分かっていれば、安心できません。いつ他の人に乗り換えられるか分からないからです。
ドラッカーが指摘したカリスマの危険性は、ここにあります。中心にいる人の存在が大きすぎて、関係が安定しないのです。
モテる人は、無意識のうちに自分が愛されることに意識を向けます。しかし関係を長く続けるには、相手に何を与えられるかを考える必要があります。
何を捨てるべきか
ドラッカーは、成果を上げるために廃棄の重要性を強調しました。役に立たない活動を続けていても、結果は出ないからです。
恋愛でも同じです。成果に結びつかない行動は、思い切って手放す必要があります。
たとえば、過去のパートナーとの関係を理想化したり、失敗を繰り返し悔やんだりすること。恋活テクニックを読むだけで満足し、それを実行に移さないこと。こうした活動に時間を使っても、深い関係は生まれません。
もう一つ捨てるべきなのは、承認への執着です。相手から好かれたいという動機だけで行動すると、本質が見えなくなります。
代わりに「相手の役に立てることは何か」を考える視点が必要です。
どこに集中するか
不要な活動をやめれば、時間が生まれます。その時間を、大切な一人に向けてください。
ドラッカーは、成果は才能ではなく習慣で決まると言いました。生まれつきの魅力がなくても、貢献に集中する習慣を身につければ、良い関係は築けます。
貢献とは、相手の人生を豊かにすることです。相手が何を必要としているか、どうすれば助けになるか。そこに意識を向けます。
広く浅い関係を10個作るより、一つの深い関係を作る方が価値があります。時間は限られているからです。
モテる必要はない
万人に好かれる必要はありません。たった一人に深く理解される方が、はるかに意味があります。
芸能人のようになる必要はないのです。
モテは幸せを保証しません。むしろ、関係を不安定にし、本当に大切なものを見えなくします。
多くの人から注目されることではなく、一人の相手への貢献に集中してください。
成果は、体系的な習慣によって手に入ります。ドラッカーはそう教えてくれました。
モテを追うのをやめたとき、本当の恋愛が始まります。

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